変形性膝関節症でも、好きな運動をあきらめなくていい

ウォーキングやランニングを続けるために考えたいこと
「変形性膝関節症 運動」
と検索すると、
「ランニングは避けたほうがいい」「スクワットは膝への負担が大きい」「長時間のウォーキングは控えましょう」
このような情報を目にすることがあります。
もちろん、膝が強く痛んでいる状態で無理に運動を続ける必要はありません。
ただ、
「変形性膝関節症だから、好きな運動はもうできない」
と考えてしまうのは、少し早いかもしれません。
大切なのは、運動をすべてやめることではなく、
今の膝の状態に合わせて、運動の種類・強度・量・やり方を調整すること
です。
変形性膝関節症でも「運動」は大切です
変形性膝関節症になると、
「膝を使うと軟骨がさらにすり減るのでは?」
と心配される方もいます。
しかし現在の変形性膝関節症の治療では、運動は重要な選択肢のひとつです。
筋力トレーニング、有酸素運動、ストレッチなどを、その人の状態に合わせて取り入れていきます。
「膝を守るために、できるだけ使わない」
ではなく膝の状態を確認しながら、適切に身体を動かしていく
という考え方が大切です。
「スクワットは膝に悪い」は本当?
スクワットをすると、膝には負荷がかかります。
だからといって、
「変形性膝関節症の人はスクワットをしてはいけない」
とは限りません。
重要なのは、
どのくらい深くしゃがむのか
何回行うのか
どのくらいの負荷をかけるのか
膝がどのように動いているのか
運動中や運動後にどの程度痛みが出るのか
です。
例えば、深くしゃがむと痛いのであれば、
椅子から立ち上がる程度の浅いスクワットから始める。
それでも痛いのであれば、負荷のさらに小さい運動に変更する。
このように調整できます。
「スクワットができるか、できないか」ではなく、「今の自分には、どのスクワットならできるか」
を考えることが重要です。
ウォーキングもやめなくていい可能性があります
「健康のためにウォーキングを始めたら膝が痛くなった」
という方は少なくありません。
そのとき、
「ウォーキングは膝に悪いからやめよう」
となってしまうことがあります。
でも、
30分歩くと痛いのであれば、10分ならどうでしょうか。
毎日歩くと痛いのであれば、1日おきならどうでしょうか。
坂道で痛いのであれば、平坦な道ならどうでしょうか。
歩くスピードを少し落としたらどうでしょうか。
靴を変えたらどうでしょうか。
歩き方や身体の使い方を変えたらどうでしょうか。
このように考えると、
「歩く・歩かない」の二択ではなくなります。
好きなウォーキングを続けるために、今できる方法を探していくことができます。
ランニング=変形性膝関節症を悪化させる、とは言い切れません
ランニングは着地のたびに膝へ負荷がかかるため、
「走ると膝が悪くなるのでは?」
と思われやすい運動です。
しかし、一般的なレクリエーションレベルのランニングが、必ずしも変形性膝関節症を増やすとは限らないことが研究でも報告されています。
もちろん、
強い膝痛がある
腫れている
急に走行距離を増やした
長期間運動していなかった
過去に大きな膝のケガがある
などの場合は慎重に進める必要があります。
でも、
「変形性膝関節症だから、一生走ってはいけない」
という単純な話ではありません。
重要なのは「負荷」と「回復」のバランス
膝が痛くなると、
「この運動が悪かった」
と考えがちです。
しかし実際には、その運動自体ではなく、
今の身体が耐えられる量を超えてしまった
という可能性もあります。
例えば、
久しぶりに運動を再開して、いきなり5km歩いた。
痛みが減ったので、急にランニングを始めた。
スクワットを一気に50回行った。
こうした場合には、運動の種類よりも「量」が問題になっているかもしれません。
まず少ない量から始めて、
身体の反応を確認しながら徐々に増やしていく。
この考え方が大切です。
痛みがある=身体を動かしてはいけない、ではありません
痛みが出ると、不安になるのは当然です。
ただ、
「少しでも痛みが出たら全部中止」
としてしまうと、活動量がどんどん減ってしまうことがあります。
運動量が減れば筋力が低下する↓体力が低下する↓さらに身体を動かさなくなる↓体重が増える↓膝への負担も増える
という悪循環につながる可能性があります。
だからこそ、
痛みの状態を確認しながら、できる運動を残していく
ことが大切です。
「何をやめるか」ではなく「どう続けるか」
変形性膝関節症と診断されたからといって、
好きだったウォーキングやランニングをすぐにあきらめる必要はありません。
もちろん、膝の状態によっては一時的に休んだ方がいい場合もあります。
それでも、
距離を短くする
スピードを落とす
回数を減らす
平坦な場所を選ぶ
筋力トレーニングを並行する
身体の使い方を見直す
など、できることはたくさんあります。
大切なのは、
「この運動は禁止」と決めてしまうことではなく、「どうすれば続けられるか」を探すことです。
大好きな運動を、これからも続けるために
「またウォーキングを楽しみたい」
「もう一度走りたい」
「旅行でたくさん歩きたい」
「山登りを続けたい」
運動する目的は、人それぞれです。
変形性膝関節症の運動も、
単に筋肉をつけることが目的ではありません。
その人がやりたいことを、できるだけ長く続けられる身体をつくること。
そのために、膝の状態や筋力、身体の使い方を確認しながら、今できる運動を選んでいくことが大切です。
膝が痛いから、
「もうできない」
ではなく、
「どうすればできるか」
を一緒に考えていきましょう。
※膝の強い痛み、明らかな腫れ、熱感、ロッキング、急な症状の悪化などがある場合は、運動を無理に続けず、整形外科などの医療機関で評価を受けてください。



